すぎ内科クリニックの院長のブログです.

2018年10月22日

「小柴胡湯」…使わないなぁ。

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ん〜〜〜自分は滅多に使わない「小柴胡湯」です。
一般的には多用されている様ですが…自分が使っても合方するだけです。

例えば…小柴胡湯の腸を温める力が弱いとか
胃を冷やしたくないとかで合方にすることが多い様な感じです。

何故、小柴胡湯を使わないか?
この小柴胡湯を構成する薬草をみると、非常に強固な中和剤だからです。

小柴胡湯の構成は…
柴胡6.0;半夏5.0;生姜4.0;黄芩・人参・大棗各3.0;甘草2.0

小柴胡湯の場合も、この薬草構成から意味を探る以外ないんだよね。
三陰三陽でがっちり骨格が出来ている処方で長く使う処方ではない。
この小柴胡湯は肝臓と小腸のバランスを取っている処方以外の何物でもない。

長く使えば…間質性肺炎もありうる処方です。
漢方薬でも薬なので当然に副作用もあります。

小柴胡湯=肝臓病に良い→これは間違いです。
この処方は肝臓と腸のバランスを崩した時に、一時的にバランスを戻す処方です。

こんなことから…自分は滅多に単剤では使いません。
実際の図式した「小柴胡湯」の構造は以下の図になります。

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非常に強い安定性を持っている漢方処方が小柴胡湯です。
これだけの安定性を保持している処方を使うのは…時間が限られています。
良い線で3ヶ月まで…。それ以後は出口がある処方を使うべきだよね。

一時期、小柴胡湯の保険治療の金額が億単位になりました。
漢方薬の使い方が違うんだよなぁ。
現代医学の投与では…漢方薬は毒薬になることを感じないとなぁ。

如何に熱を体外に逃がすか?を考えれば
小柴胡湯の長期投与はあり得ない。これ中和剤だもの。

副作用も強くなる。間質性肺炎も起こりうる状況を作り出す。
そんな処方が「小柴胡湯」という処方です。

ただ…この「小柴胡湯」を考え出した張仲景と言う医師の凄さを感じます。
使い方は…注意しないとなぁ、張仲景の傷寒論を読むことも大切かな。
風邪にかかってから…死ぬまでの病気の変化の激しさ。
身体がダイナミックに動いているという姿を実感して欲しいと感じます。

PS:今回は大学の友人が教えてくれた曲です。
  彼は亡くなってしまったけど…ギターの弾き方も教えてくれた。
  自分に取っては…大切な曲です。

posted by 杉幹雄 at 00:39 | Comment(0) | 漢方

2018年10月21日

「半夏厚朴湯」単体では…他の症状が悪化することが多い。

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この漢方処方:半夏厚朴湯
これってストレスから来る喉の痞えが主症なんだけど…
身体の診察なく病名や主訴投与で行っている医師が多い。

この漢方薬…危ない一面があるんだけど
分かるかな???

半夏厚朴湯の組成を見てみましょ…
半夏6.0;茯苓5.0;生姜4.0;厚朴3.0;蘇葉2.0

この薬草組成が分からなかったら使うべきではないとは思う。
気剤としての薬草は半夏(胃)と厚朴(喉)を使っていて…
基本的に胃が悪い人の漢方薬ですよね。

後の薬草を見てみましょう。
茯苓:水を体外に出すことを主眼としている薬草
生姜:胃や小腸当たりを温める薬草としての生姜の乾燥した薬草で水を外に出します。
蘇葉:紫蘇の葉で…気の流通を良くする薬草、主に胃と喉元の気の流れを良くする意味合い。

と、すれば…
この半夏厚朴湯の人の胃は胃弱です。
心窩部にポチャポチャとした胃内停水が認められるはずです。

この胃弱という観念がなければ…
喉元の痞えは取れる反面、胃熱が強くなり胃が悪くなります。

一人の患者さんには心療内科で出されている半夏厚朴湯を
飲まないように指示しました。

単に神経不安や喉のつかえだけで使うことで
半夏厚朴湯を使うのは危険です。
漢方医学では現代医学の病名投与は成り立ちません。

漢方専門と称して予約診療をしている医師の場合にも同じことが多いんですよね。
下痢の患者さん、胃熱があるのに「なぜ五苓散?」 胃熱が判定できないんだよね。

ワインを飲んでいて胃熱があり黄連剤が必要なのに…(´ヘ`;)ハァ

専門性で医師を選んで、「この先生なら治る!」というプラセボ効果が有効ならOK。
プラセボ効果でも症状が緩和すれば、その医師は立派だと思う。

でも…漢方薬が効かないで他県から受診する患者さんの気持ちもなぁ。
患者さん本人の全身を把握できない状況で投薬することの危険性。
内臓の充血と虚血の位置を把握できない危険性でも、ありなのかな???
それって正解?とか思うこともありますよね。/(-_-)ヽ コマッター

この様な医師が東洋医学会の専門医と認定されても同じことしている現状。
専門医試験は…漢方薬を使うことに対しては当たり前の常識。

学会に対しては…漢方を残そうとしている努力は理解出来きるかな。
ただ…これじゃ〜漢方医学の真意までは分からないだろうね。

そんな情けなさを感じる時も多くあります。
漢方の今の現状では「どうかな?」と感じることもあり

著名と言われている医師に受診していて治らないと
ほぼ無名(笑)の自分の診察を受けに来ると…感じるよなぁ。

著名な東洋医学会認定の漢方医も…このレベル???と
感じることも多いのが実情なのです。。。

困ったことです、よね。
漢方専門医でも…柴胡剤と黄連剤の違いを判別出来ない医師が多い。
柴胡剤と黄連剤を間違えば症状は悪化の一途です。

これじゃ〜なぁ。
漢方治療の実力の違いの判定は…筆記試験では無理だよね。
(゚゚)(。。)(゚゚)(。。)ウンウン

posted by 杉幹雄 at 08:01 | Comment(0) | 漢方

2018年10月15日

漢方治療雑感

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(LupinV世 PartVより)

「堅い話題をするのに堅い絵からでは、なぁ〜」
 そんな訳で? ルパン三世だったりして…(笑)

病気の診断の仕方って…
学校(医学部)で習うことがベースになっていて
後は経験値が上がっていくに従って…
自分なりの診断方法が出来ていく様な感じ、なのかな。

一方の漢方の診断の方法は…
基本的に学校で習わないから、その医師なりのやり方。
そんな感じになっていくのかなぁ〜。
そんな感じだよね。

現代医学の診断の仕方は検査があるから楽ですけど
漢方医学の診断には検査がない訳ですから…ここが漢方の難関です。

こんなことから…漢方治療に関しては
身体の診察から処方を選ぶことしかなくて…
身体と処方を結びつける部分が非常な難しい所です。
うん!(^-^)

漢方が出来上がったのは2000年前…
そんな頃に現代医学の病名はなかったのは当たり前です。
ですから…病名治療をしようとしても効かないのが漢方薬です。

こんな時に漢方処方を選ぶポイントは構成薬草に他なりません。
一つの処方の構成薬草を見ると「こんな感じの身体に効くんだろうなぁ」
そんな考えが出てきたら…漢方処方出来るのかな?とか感じます。


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日本でも「薬徴」と言う薬草を説明した漢方薬の本があります。
吉益東洞という江戸時代の医師が(1785年初版)書き記しています。
徹底的に傷寒論・金匱要略の構成薬草を調べて作り上げた本です。
この本には古方派の吉益東洞の鋭い視点があります。

さて…実際の漢方治療を希望される方は、
漢方治療の経験がある患者さんが多い様です。
面白いことに漢方専門医の医師も患者さんとして来て下さいます。

まずは…患者さんが今まで飲んでいた漢方薬を聞きます。
そこで不思議なのは「柴胡剤を処方する医師がやけに多い」と感じることです。
これって「黄連剤なんじゃない?」なんてことが多い様に思います。

だって…
気が停滞している場所が右季肋部ではなく左季肋部にあるからなぁ。
気が停滞している場所に触ってみれば…殆どの患者さんは、その場所に熱を持っています。
ちなみに心窩部直上の場合は「地黄剤」が行くんでしょうねぇ。

前の記事に書いた左右差の場所の薬草。
右から、柴胡ー地黄ー黄連 と分かれていることも漢方医学の優れている姿の一つかもね。

今日は「半夏白朮天麻湯」を処方されている患者さんがみえました。
ん〜〜〜胃腸を温める「半夏白朮天麻湯」を使えば胃熱がでてくるよなぁ。
今の飽食の時代、「半夏白朮天麻湯」単体で有効なのは老人のみかな。
仕方ないので「半夏白朮天麻湯」に黄連剤を併用する処方をしたりしました。

そんなこんなで1日が終わっていきます。

10月は検診の最後の月で検診も多くなっています。
一方で漢方を希望される患者さんもいますので…
上に書いた様な漢方雑感を持ったりしながら診察をしています。

じゃ〜現代医学と漢方医学のどちらを優先するの?とか聞かれそうですが…
別にどんな医学でも病気を治せれば良いので自分には区別はありません。
漢方医学の考えを使いながらも…今日は喘息の患者さんに点滴などもしました。

自分に取って…現代医学と漢方医学のこだわりはありません。
ただ、患者さんが治って笑顔になってくれれば良いだけです。

研究者としては、現代医学と漢方医学の併合を目指します。
ぴーす V(^0^)

PS:今日は今年2人目の妊娠スタッフさんの勤務最終日でした。
  「元気なお子さんを産んで遊びにおいで!」と。
  いつまでも勤めて欲しい一方で…クリニックではそんなことの連続です。
  子育ては大変だけど…良いお母さんになって欲しい、な。
  そんなことを感じました。(゚゚)(。。)(゚゚)(。。)ウンウン


posted by 杉幹雄 at 21:05 | Comment(0) | 漢方