2020年03月29日

じんま疹治療から…現状の医療を考える。

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「症状を出している臓器に問題がないことが多い!」という事実。
そんなことを知って頂きたくブログの記事にします。

「皮膚科での治療では…治らない」とのことで漢方治療を求めて来院。
初診時には、38℃台の発熱と背中には強い発赤疹がありました。

自分のクリニックでは、一般治療と共に漢方治療を併用します。
このため皮膚科で一般薬を出されているため抗生剤の中止を指示し
漢方薬を処方し、抗アレルギー剤などは併用して服用するように指示しました。

血液検査では白血球13,000程度、CRP:5程度でやや強い炎症です。

血液検査の結果が出て、炎症反応が強い事から電話連絡し状況を確認。
少し良くなっている感じなので大丈夫とのこと。
また解熱も始まり、解熱薬は殆ど飲んでいないとのことでした。

再診し背中を診ると…あれだけの発赤疹が取れている状態でした。
「漢方薬を飲んでいると日ごとに症状が軽くなることが感じられる」とのこと。

漢方薬も身体にハマっている(合っている)様ですので
漢方薬の継続治療をして行くことになりました。
最終的には体質改善の治療を継続していくことになります。

考察
ここで…自分がしている治療の視点は皮膚にありません。
自分は内臓の充血を取ることを主眼に治療をしているだけです。

この病態は内臓の充血が強いために皮膚に発散しているだけと思われ
内臓の充血を取ることが先決と考えたからです。
内臓の充血をそのままに皮膚の治療をしていても治らない病態です。

どの部分を視点にするか?で治療方針は変わります。
これは他の病気でも同じことが指摘出来ます。
ウイルス感染症でも同じで必然性がなければウイルス感染も必要ないことです。

ウイルス感染症に関しての医療的な視点は…
短期的な視点、中期的な視点、長期的な視点と分ける必要があると。
感染が進んでいる現在では外出の禁止などの短期的な視点が重要ですが…
収束後は「培地となりやすい身体の状況」や
「ウイルスの必然性」を考えて研究をすべきだと感じています。
「ワクチンができたら終わり」ではないと思われてなりません。

収束後の医療研究が今後の感染症対策を強化する原動力になるに違いありません。
一般の医療が分からない方にはコロナウイルス感染が不安でしょう。
ただ日本が強力な研究で世界の行き先を示すことが、
今後の日本の存在を認識させる絶好の機会でもあるのには間違いありません。

PS:ん〜〜〜この動画、面白い!
  「踊る大捜査線」なんだけど音楽が「東京ラブストーリー」だったりして
  こんな感じが良いなぁ〜うん(^_^)
  あれから何度か東京ラブストーリーを見ているんだけど…
  男女って本気になったら苦しいし切ないよね…異性は基本違うから。
  でも…それを乗り切ることが意外に大切だったりするんだろうね。

posted by 杉幹雄 at 06:24 | Comment(0) | 皮膚病

2020年03月18日

漢方医学から解析したコロナウイルス発熱症状

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次はコロナウイルス感染症での発熱症状に対しての視点を話したいと思います。

現代医学では炎症があれば発熱症状を起こしやすい!という様な考え方です。一方の漢方医学では、血液検査で炎症反応がなくても発熱症状があるときが多いと断言できます。

発熱が取れないという患者さんに対し、診察にて少陽病期であることを確認しながら血液検査をして炎症反応がないことを確認し、漢方治療のみで解熱していく例は、少なくはありません。先日、夜になると38〜39℃の発熱症状が認められる患者さんが来院しました。診察では少陽病での発熱ですので漢方薬を処方し、炎症反応を確かめるために血液検査をしましたが炎症反応は認められません。同時に、昨晩は発熱がなく「もう大丈夫だと思う」と患者さんが話します。

自分の息子のことですが、同じ様に38℃の発熱を1ヶ月程度、継続していたことがあります。小児科にて炎症反応なし、大学病院を紹介され炎症反応を認めないので診断としては「環境不適合」との診断…(T.T) 自分が診察をすると少陽病であることが確認できるため漢方治療を開始。約2週間で平熱になりました。

次はコロナウイルス感染症での発熱です。感染を知りながらカラオケバーに行って「移してやる!」とのことで、その時は元気でカラオケなどを歌っていましたが、その後に亡くなってしまったこと。これは問題行動ですが…カラオケバーに行ったときにはコロナウイルス感染症陽性でも動くことが出来た。そんな点に着目すると…やっぱり少陽病期に強い症状を出すのは間違いありません。この少陽病期にお酒を飲むと症状が急激に悪化します。

傷寒論でも少陽病期の説明は簡略で処方として小柴胡湯程度しかなく、その殆どは太陽病期に記述されています。それは太陽病から少陽病期への移行が多いからに他なりません。WikiPediaでは「少陽病(しょうようびょう)は、三陰三陽病の一つで、太陽病の次に起こる外感性疾病。六経病では少陽経病である。傷寒論では、「少陽の病たる、口苦く、咽乾き、目眩くなり」といわれ、発病後4 - 5日ないし6 - 7日を経た時期の病態で、口苦、咽乾、舌苔白、食欲不振、悪心、脈弦緊などの症候を現わす。胸脇苦満や往来寒熱も出る。」

ここで傷寒論解析からすれば…風邪でも病期があり、太陽病から少陽病に移ると症状が変化することから…「症状が悪化した!」と来院される患者さんも多いのも事実です。一般の風邪では「微熱がでる」とか「怠くてしかたない」とか、一部には少陽病期でも39℃程度の高熱が出ます。また、この時期に肺炎が多いのが臨床での経験から指摘出来ます。風邪の熱は皮膚と腸とのアンバランス性から身体に入ってきます…その熱が管腔臓器(太陽病)から実質臓器(少陽病)に移るときの症状でもあると考えています。これは風邪が推移している姿であり…特別に悪い状況ではありません。実質臓器の熱を取り切れれば風邪は抜けていくからです。

※※※追加 2020/03/19
この様な臓器間の充血の推移は「熱力学第一の法則」に当てはまります。「第一法則は、閉鎖された空間では外部との物質や熱、仕事のやり取りがない限り、熱(そしてエネルギー)の総量に変化はないということを示している。(wikipediaより)」すなわち体内の熱の移動が起こりうるものの外部からの産生熱ではないことを物語ります。

身体は均一性を求めます。部分的に充血や虚血があれば身体の均一性を失い…それに伴い症状を起こします。逆に均一性がある身体では、何の変化(症状)も起きません。この様な現象は気象と同じです。高気圧は気圧が高い場所、低気圧は気圧が低い場所です。一気圧は1,013ミリバールですが…回りの気圧が1,018ミリバールならば正常気圧の1,013ミリバールでも低気圧になります。この様な現象は身体でも起こります。一つの臓器は回りとの熱量の比較を常時行って生体内運動を行っているようです。このため一つの臓器の周りの臓器(背景臓器)の熱量が下がれば、当該臓器は充血している臓器となり症状がでます。この様な現象は他の一般的な物理現象と何ら変わりはありません。

医学は身体を扱う学問ですが…物理の前では自然界の現象も身体の現象も何ら変わりは無いということです。医学が特殊と考えること自体に、「医学は特殊で他の科学と違う」という様な偏見や他の科学との縄張り争いの様な線引きをする様な問題があります。自然の中に生きている運動体である人体が物理の法則を外れることはありません。今回のコロナウイルス感染症が、そんな新しい医学への視点を残してくれることを期待しています。
※※※

検査機械が提示した病態変化も大切には違いありませんが、風邪の経過の流れが分からなければ感染症の治療は難しいとは思います。もっと柔軟になった方が良いように思われてなりません。蛇の様な柔軟性なのかねぇ〜(^_-)ネッ  橋下徹元大阪府知事は「暴論かも分からないけど」と前置きした上で「どこまで政治判断でリスクを引き受けていけるか。高齢者や基礎疾患がある人の命を守る、重症者を出さない医療水準を維持するのは当たり前だけど、感染しても死ななきゃいいじゃないですか?って気持ち、マインドになれるかが大事」 ん〜〜〜こんな視点も大切だよね。
 
igakusymbol.jpg 医学のシンボルです。
6つの方向性の図形に上に向かう杖を蛇が登る姿です。

こんな感じに柔軟な考えを欲求されるのが医学なのかな?
この医学のシンボルのことを自分も好きで…クリニックのロゴに使いたいなぁ〜とか思っているのですが。

傷寒論も素晴らしい医学だし
現代医学も素晴らしい医学だけど…次は融合だよね。

PS: トイレットペーパーを買ってきて下さった患者さん
  また品薄のマスクを100枚以上、持って来て下さった患者さん
      このブログをいつも読んで下さる患者さん
  ありがとうございます。感謝の気持ちで一杯です。

  銀巴里出身のジャズ歌手の患者さんが歌って下った「愛の賛歌」
      ジャズの歌い方の素晴らしさとプロの圧倒的な声量…
  そして全身が包まれる暖かさを感じて、ただポロポロと涙が流れていた自分に…
  手を添えて歌って下さったんですよね…(^_-)ネッ。

  そんな夢の様な時間を下さった患者さんにも感謝しています。
  自分も、そんな患者さんの気持ちを他の患者さん方に返していかなくては、(^_-)ネッ
  
posted by 杉幹雄 at 20:26 | Comment(0) | ウイルス

2020年03月11日

漢方医学から解析したコロナウイルス感染症状

コロナウイルス.jpg

このコロナウイルスとインフルエンザウイルスの違いを
漢方医学の観点から比べてみたいと思います。

漢方医学の原点とも言える傷寒論の病期には6つに区分されています。
太陽病→少陽病→陽明病→少陰病→太陰病→厥陰病(→死)

この傷寒論は感染症が多発した村で治療を行ったと思われる医師
張仲景によって書かれています。今から2000年前です。

傷寒論序文は以下の様な文章から始まります。
「宗族素多,向餘二百,建安紀年以來,猶未十稔,其死亡者三分有二,傷寒十居其七」
 以上の漢文を訳すと…
「自分の一族は200に余る程であったが、建安(と言う年号)に入ってから
10年も経たないのに、死亡するものが3分の2になり、その中での7割が傷寒だった。」

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(大塚敬節先生 傷寒論解説 序文)

つまり伝染病の治療方法が傷寒論という本に書かれてあるということです。
この本は平安時代には日本に入ってきており、江戸時代の医学を支えた本になります。この本の特殊性は簡潔であり、風邪による病態変化を経過により繊細に書かれている点にあります。

ただし非常に難しい内容で、自分が手に取ってから何となく分かるまで10年。
その医学的内容の応用が出来るまでには、あと10年(合計20年)が必要でした…(・・;)。
この本は全体を把握しないと、部分的に読んでも内容が分からない様な本です。
加えて…漢文です(T.T)。自分は漢文や英語は学校を卒業してから学び直しました…(^^ゞ。

それでは…
この傷寒論の考えを利用してインフルエンザとコロナウイルスを解析してみます。

インフルエンザの場合には「太陽病期にて症状を出すウイルス」です。
1週間もすれば、何もしなくても去ってしまうことから推測できます。

一方の新型コロナウイルスは「少陽病期にて症状を出すウイルス」になります。
感染して発病し4〜5日後に症状が悪化することから、太陽病のウイルスではありません。
次の病期の少陽病が中心で、陽明病も加わっているのかも知れません。

外来診療ですので、肺炎になっている患者さんを診る機会も多いのですが…
太陽病期で肺炎になることは、まずありません。少陽病期に肺炎の発病が多いのが事実です。

ここが次の医学への鍵に他なりません。

少陽病は実質臓器の充血が顕著です。
傷寒論は江戸時代の医学で古い医学ということに関しては間違いありません。
しかしながら、現代医学が持たない視点を持ち、その視点を利用すれば…
実質臓器の充血を取ることにより肺炎の悪化を防ぐことが出来ると推測できます。

※※※
追加:2020/03/14〜3/16
新型コロナウィルスの漢方薬治療として、お隣の国では「清肺排毒湯」なるものが使われている様です…患者さんから教えられました。
薬草構成:麻黄9g 炙甘草6g 杏仁9g 生石膏15-30g(先煎) 桂枝9g 沢瀉9g 猪苓9g 
白朮9g 茯苓15g 柴胡16g 黄芩6g 姜半夏9g 生姜9g 紫苑9g 冬花9g 射干9g 
細辛6g 山薬12g 枳実6g 陳皮6g 藿香9g wikipediaより

この処方構成から考えると…やはり少陽病と陽明病が中心になっている状況を物語るものだと考えます。五苓散が含まれているのは熱を取る時にでる水分バランスを整える考えを入れている様な感じかな? 冬花・射干・紫苑を入れているのは呼吸器症状緩和のため保険生薬では使えない薬草を使っている感じ。炙甘草を入れるのは急迫症状解除と薬草の結びつきを強めたい目的があるのかな?と感じます。すなわち呼吸器症状を緩和する効果は強いのだろう…と考えることは出来る処方かな。こんな感じで「処方される薬草構成から病態を考えて行くのが妥当」と教えるのは「傷寒論」の解析で知ったことに他なりません。

この様な処方をみて保険漢方ならどうすべきか?
ん〜〜〜コロナウイルス感染症では両肺の肺炎が起きることが多いことからすれば、柴胡(肝臓)だけに充血がある肺炎は少ないに違いない…多分、黄連(脾臓当たり)に充血があるものと推測され柴胡剤だけでは足りないように思われる。このことから処方は基本的に…少陽病の実質臓器の熱と陽明病の管腔臓器の熱を取ることに他ならない。とすれば…柴陥湯・麻杏甘石湯・香蘇散・五苓散当たりになるのかな? 少陽病の実質臓器の熱と陽明病の腸熱を取ることを主体とすれば、後は一般薬の併用でも良い様な感じもします。
※※※

自分は現代医学も良い部分も多いと感じ、一般薬も普通に使っています。
また漢方医学的な視点も重要で、漢方薬も必要なら併用します。

折角、そんな考えの医学を残している国なのですから…それに気づくこと。
そんなことが大切に思われてなりません。

前回の記事に書いた様に「ウイルスの必然性」は顧みる必要があります。
ウイルスがいなければ…地球上に人間が生まれなかったのかも知れない。
もっと「ウイルスが何をしているのか?」を考える必要があると考えざるを得ません。
ウイルスが地球環境を守っているという視点もあるのでは?

PS:ん〜〜〜
感染する人を防ぐことに対しては、国の考えと行動には正しさを感じます。
一方の医療研究では…そんなにウイルスが怖い存在なのか?を確認する時代に来ているのでは?
そんなことを感じます。ウイルスに対する必要条件の解析を急ぐことも重要だと。
それを実証し政府に伝え、感染症がどんなものであるか?を世界に発信する。
そんな日本になって欲しいですねぃ!(^_-)ネッ

さて…
大病院の勤務医だったときに「先生ってトトロみたいね」とトトロのぬいぐるみを看護師さんから頂いたことがあります。 やはり「となりのトトロ」みたいな生き方が良いかなぁ〜(笑)。


posted by 杉幹雄 at 08:22 | Comment(0) | 東洋医学