2018年10月15日

漢方治療雑感

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(LupinV世 PartVより)

「堅い話題をするのに堅い絵からでは、なぁ〜」
 そんな訳で? ルパン三世だったりして…(笑)

病気の診断の仕方って…
学校(医学部)で習うことがベースになっていて
後は経験値が上がっていくに従って…
自分なりの診断方法が出来ていく様な感じ、なのかな。

一方の漢方の診断の方法は…
基本的に学校で習わないから、その医師なりのやり方。
そんな感じになっていくのかなぁ〜。
そんな感じだよね。

現代医学の診断の仕方は検査があるから楽ですけど
漢方医学の診断には検査がない訳ですから…ここが漢方の難関です。

こんなことから…漢方治療に関しては
身体の診察から処方を選ぶことしかなくて…
身体と処方を結びつける部分が非常な難しい所です。
うん!(^-^)

漢方が出来上がったのは2000年前…
そんな頃に現代医学の病名はなかったのは当たり前です。
ですから…病名治療をしようとしても効かないのが漢方薬です。

こんな時に漢方処方を選ぶポイントは構成薬草に他なりません。
一つの処方の構成薬草を見ると「こんな感じの身体に効くんだろうなぁ」
そんな考えが出てきたら…漢方処方出来るのかな?とか感じます。


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日本でも「薬徴」と言う薬草を説明した漢方薬の本があります。
吉益東洞という江戸時代の医師が(1785年初版)書き記しています。
徹底的に傷寒論・金匱要略の構成薬草を調べて作り上げた本です。
この本には古方派の吉益東洞の鋭い視点があります。

さて…実際の漢方治療を希望される方は、
漢方治療の経験がある患者さんが多い様です。
面白いことに漢方専門医の医師も患者さんとして来て下さいます。

まずは…患者さんが今まで飲んでいた漢方薬を聞きます。
そこで不思議なのは「柴胡剤を処方する医師がやけに多い」と感じることです。
これって「黄連剤なんじゃない?」なんてことが多い様に思います。

だって…
気が停滞している場所が右季肋部ではなく左季肋部にあるからなぁ。
気が停滞している場所に触ってみれば…殆どの患者さんは、その場所に熱を持っています。
ちなみに心窩部直上の場合は「地黄剤」が行くんでしょうねぇ。

前の記事に書いた左右差の場所の薬草。
右から、柴胡ー地黄ー黄連 と分かれていることも漢方医学の優れている姿の一つかもね。

今日は「半夏白朮天麻湯」を処方されている患者さんがみえました。
ん〜〜〜胃腸を温める「半夏白朮天麻湯」を使えば胃熱がでてくるよなぁ。
今の飽食の時代、「半夏白朮天麻湯」単体で有効なのは老人のみかな。
仕方ないので「半夏白朮天麻湯」に黄連剤を併用する処方をしたりしました。

そんなこんなで1日が終わっていきます。

10月は検診の最後の月で検診も多くなっています。
一方で漢方を希望される患者さんもいますので…
上に書いた様な漢方雑感を持ったりしながら診察をしています。

じゃ〜現代医学と漢方医学のどちらを優先するの?とか聞かれそうですが…
別にどんな医学でも病気を治せれば良いので自分には区別はありません。
漢方医学の考えを使いながらも…今日は喘息の患者さんに点滴などもしました。

自分に取って…現代医学と漢方医学のこだわりはありません。
ただ、患者さんが治って笑顔になってくれれば良いだけです。

研究者としては、現代医学と漢方医学の併合を目指します。
ぴーす V(^0^)

PS:今日は今年2人目の妊娠スタッフさんの勤務最終日でした。
  「元気なお子さんを産んで遊びにおいで!」と。
  いつまでも勤めて欲しい一方で…クリニックではそんなことの連続です。
  子育ては大変だけど…良いお母さんになって欲しい、な。
  そんなことを感じました。(゚゚)(。。)(゚゚)(。。)ウンウン


posted by 杉幹雄 at 21:05 | Comment(0) | 漢方
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