すぎ内科クリニックの院長のブログです.

2021年04月18日

新型コロナウイルス感染後遺症の治療 

corona-aftersymptom.jpeg

今回はコロナ後遺症治療での感想を話してみます。
現在で10例程度の症例があります。

基本的には一般の風邪の遷延症状の治療と変わりませんが
治療に対しての「しつこさ」を感じています。

一般の風邪は1週間程度の治療で終わりますが
コロナ感染後遺症の治療は、1ヶ月以上かかるのが普通です。

比較的症状が揃っている患者さんの例を取り上げてみます。

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30才台 男性 
コロナ感染したのは1月初旬で入院、その後、退院するものの
比較的強い後遺症があり入院した病院に受診していたとのことです。
処方されていたのは袪痰剤と鎮咳剤に漢方薬:補中益気湯でした。

まず漢方治療に関して補中益気湯を投与されていたということは
「倦怠感=補中益気湯」という公式で投与されていたことでは?
と感じます。的外れな漢方処方だと感じます。

高齢の後遺症では部分的には補中益気湯は必要だとは思いますが、
コロナ感染後遺症において頻用して良い処方ではないと思います。

当院初診は3月上旬…
症状は倦怠感・微熱・頭痛・咳痰・鼻水・目眩・胸痛です。
感覚障害を除いて全てが含まれている後遺症の治療例です。

ほぼ全例に少陽病期で見られる実質臓器の鬱血が認められます。
この症例も同じでした。これを目標に漢方治療を開始しました。

3月中旬:初診から2週間後
まだ倦怠感があるが自宅内では動けるようになった。
ただ頭痛や鼻水は取れたが、微熱は残り、目眩と胸痛は軽くなったが残る、と。

診察では両脇の鬱血の左右差(左>右)が顕著になってきており
それに合わせる様に漢方薬を変更して投与。

4月初旬:初診から4週間後
全て元通りではないが、電車に乗って買い物に行けるようになった。
微熱はとれたが、疲れると胸痛や目眩が出るとのこと。

診察では身体に大きな変動はなく、両脇の鬱血の左右差はそのままです。
そのため、同じ漢方薬を3週間分の投与。

5月初旬:初診から8週間後(2021/05/23追記)
殆ど無理なく生活出来るようになった、と。
「もう大丈夫」と話されます。
「最初は、後遺症の症状に恐れていて普通の生活が出来なかった」とも話します。
「それだったら、何かあった時のために2週間程度の薬を持っていけば?」と。
これで…治療が終了しました。ここまで2ヶ月でしたね。
良くなって良かった、(^_-)ネッ

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この様な感じで、長期治療が必要になってきます。
ただし、漢方医学的な診察治療の視点で通用する病状です。

発症して5〜6日、少陽病期での重症度が肺炎へ移行するかを左右します。

またコロナ感染が陰性になっても…
少陽病期の臓器の鬱血が残ることが多く、それが後遺症の原因となっています。
症状は多様ですが、コロナ感染後遺症の病態は、これが基盤となっています。
症状に多様性があるのは、個体差があるためです。

PS: 症例は増えて来ていますので、コロナ感染後遺症については
  必要な部分は、報告して行きたいと考えています。
  マスメディアの方からの取材の依頼もありますがお断りしています。
  それは、最前線で治療している医療従事者の方に申し訳ないからです。
  自分の役割は、最前線の医師を支えることにあると考えています。

  サザン…良いなぁ〜うん(^_^)

posted by 杉幹雄 at 23:16 | Comment(0) | コロナ
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